「Prof. SAKAKI塾 21周年」
今回も、いつものように市況を展望しますが、その前に、
Prof. SAKAKI塾の「21周年」について少し書かせて下さい。
[1] おかげさまで21周年!!
2026年4月16日で、Prof. SAKAKI塾は満21周年を迎え
ます。
個人的なことで恐縮でございますが、4月16日は私の
最愛の母の命日でもあります。
毎年この時期になると、亡き母のことを思い出しながら、
Prof.SAKAKI塾の創立記念日を祝っています。亡き母が、
いつも私とProf. SAKAKI塾の背中を押してくれているのだ
と思っています。
21年もの長い間続けてくることができましたのは、
ひとえに皆様のおかげです。
21年というのは長いようですが、過ぎてしまうと
アッという間です。その間には、リーマンショックや
東日本大震災を経て、2012年12月までの民主党政権下
での暗い株価低迷の時期を経験してきています。
また、2020年2月〜3月にはコロナショック、2024年
8月には「植田ショック」がありましたし、2025年4月
には「トランプ関税ショック」もありました。
こういった先行き不安の時こそ、道先案内人として、
少しでもお役に立てればと思い、日々研鑽を積んで
おります。
Prof. SAKAKI塾には、2005年以降の数々の苦難を乗り
越えてきたという歴史と実績があります。
昨今のように、先行き不透明な時だからこそ「助言業」
という仕事に意義があるのではないかと感じており、
21年を過ぎて、なお、より一層のやり甲斐を感じています。
Prof. SAKAKI塾の業種は「資産運用業」です。
(2026年4月1日に金融商品取引法が改正され、
「投資顧問業」という用語はなくなり、「資産運用業」
になりました。)
兜町(=株式市場)は「生き馬の目を抜く世界」なので、
「資産運用業」は短命なところが多いと聞きます。
そういった中にあって、Prof. SAKAKI塾が21年も続けて
こられましたのは、ひとえに「皆様のおかげ」であり、
重ねて感謝申し上げます。
毎年この時期になると、本当に「皆様のおかげで
ここまでやってこられているのだ」と痛感しますので、
毎年同じようなことを書いてしまいます。
これからも「皆様の笑顔を求めて、有益な情報を提供
する」という初心を常に忘れることなく、ファイナンシャル
教育の普及に微力ながら一助となればと思っております。
今後もじっくりと取り組んで参りますので、皆様の
ご厚情を賜りますよう、宜しくお願いいたします。
<この文面は、当サイトの TOP PAGE にも掲載いたします。>
[2] 市況展望(執筆日時:4月16日 1時)
(1) 過去1ヶ月を振り返ります
前回のこのメルマガの配信日が3月18日でしたので、
3月18日から現在までを振り返ります。
過去およそ1ヶ月の日経平均株価は、3月18日に
「55,239円」で始まり、3月23日に「50,688円」、
31日に「50,558円」の安値が付きました。
これら2つの安値が「ダブルボトム」となって、大きく
切り返してきました。
ご承知のように、今年の2月28日から中東ショックが
始まりましたので、2月26日に付いた「59,332円」が
史上最高値となりました。
私は2月24日にはほとんどのポジションをキャッシュ
にして、25日から Paris に出かけましたので、最高値は
Paris のリッツホテルで知りました。
「これは、さすがに高すぎでしょぅ!」
と思っていたら、中道ショックの勃発です。
それからおよそ1ヶ月間は下値を切り下げる展開が
続きまして、上に述べた「50,688円(3月23日)」と
「50,558円(3月31日)」の「ダブルボトム」が付いて、
大きく切り返して現在に至っています。
3月31日は、3月決算企業の配当権利落ち後であった
ということを考えると、実質的には3月23日が大底
であったということになります。
[2] 中東ショックについて冷静に考えてみる
このように、中東ショックによって「59,332円」から
「50.558円」円まで1ヶ月で一方向に下落しましたので、
かなり大きな下落だったという印象がありますが、実は
下落率は「14.8%」でしかありません。
「14.8%」という下落率も、かなり大きいので、
「(14.8%)でしかありません」
という表現が的確なのかどうかはわかりませんが、
今までのところでは、「大暴落」ではなかった、という
ことになります。
4月15日に、ザラ場で「58,585円」まで戻っています
ので、ここから急転直下、第三次世界大戦に発展して
しまうような「まさか中のまさか」にでもならない限り、
今回の「中東ショック」による下落は、一旦は収まった
(少なくとも第一波は収束した)と考えられます。
そこで、今回の下落を見返す意味で、前回(2026年
3月18日配信)のメルマガの(5)「過去の下落率から学ぶ」
に掲載したデータを若干加筆して、再掲してみます。
(日経平均株価の小数点以下は切り捨て。単位は、円)
名称 (年) 高値 安値 下落率 日数
1. コロナショック(2020) 23,806 16,358 31.3% 28日
2. 世界同時1(2016) 19,113 14,865 22.2% 44日
3. 植田ショック(2024) 39,188 31,156 20.5% 5日
4. トランプ関税(2025) 38,220 30,792 19.4% 12日
5. チャイナショック(2015) 20,946 16,901 19.3% 49日
6. 世界同時2(2018) 22,698 18,948 16.5% 23日
7. パウエルショック(2018) 24,129 20,347 15.7% 62日
8. 中東ショック(2026) 59,332 50,558 14.8% 33日(今回)
9. マイダン革命(2014) 15,958 13,995 12.3% 13日
10.BREXIT(2016) 16,830 14,864 11.7% 16日
結果的にも、今回の下落率は、過去13年間で8番目
の大きさでした。
このように整理してみると、次のことが浮き彫りに
なります。
「1. コロナショック」−−下落率が30%超−−大暴落
「2.〜5.」−− 下落率が20%前後−−大規模な下落
「6.〜8.」−− 下落率が15%前後−−中規模調整
「9.〜10.」−−下落率が12.5%以下−−小規模調整
今回の下落は、「中規模調整」に分類されます。
小規模調整を「下落率が8%〜12.5%以下」と定義
しますと、ここに掲げた「9.と10.」以外にも19例
(全部で21例)ありました。
ですから、小規模調整は結構頻繁に起こることなの
です。
それに比べますと、大暴落から中規模調整までは
13年間で8例なので、「1年に1度あるかないか」
であるということが浮き彫りになります。
大暴落から中規模調整までの年別の分布は次の
とおりです。
2015年
2016年
2018年(1月〜3月)
2018年(10月〜12月)
2020年
2024年
2025年
2026年
2021年から2023年までは中規模以上の調整は
起こっていなかったということと、2018年に2回
発生しましたが、1年に3回発生することはない、
ということもわかりました。
(2016年には中規模調整以外にも、小規模調整が
1回発生しています。)
また、下落日数の平均値は「28.4日」で、今回が
32日ですので、下落日数は、ほぼ平均並みです。
以上のようなことから、中東ショックについて
冷静に考えてみますと、今年の2月末から発生した
今回の下落は、「1年に1度あるかないか」の下落
ではありますが、下落の規模は「中規模調整」
であったということがわかります。
また、中東情勢が想定外の世界大戦に拡大しない
限り、たとえ戦争が長引いたとしてても、今回の
中東ショックは株式市場には「織り込まれた」
ということも言えそうです。
もし近いうちに50,000円割れが起こるとしましても、
それは、
1.中東情勢が世界規模の戦争に発展
2.原油高による企業業績の悪化
3.スタグフレーションの顕在化
4.トランプ大統領が大敗
といった新たな経済不安が主因となると考えて
います。
そして、そういうことは、今年の年央以降に
「充分に起こり得る」と考えていますが、それらの
ことは次号以降で吟味します。
[3] 投資家が意識すべきなのは『率』!!
ニュース報道などで、「下落幅が過去○番目」
という言説をよく見かけますが、非常にナンセンス
です。
声を大にして申し上げたいことがあります。
「下落『幅』」と「下落『率』」は全くの別物です!!
「下落『幅』」には大した意味はありません!!
投資家が常に意識すべきなのは「下落『幅』」では
なくて、「下落『率』」です!!
と申しますのも、「下落『幅』」というのは、
「下落『額』」のことを言っています。
下落の『額』と『率』とは全く違うものなのです。
そして、意味があるのは、『率』です。
上の[2]の「下落率の数値例」を加工したものを
お示しして、このことを説明します。
以下で、上の[2]の数値例を「下落率」ではなく、
「下落幅(額)」で整理し直します。
左の( )内の数字は下落率の順位です。
名称 (年) 高値 安値 下落幅(額)
1.(8) 中東ショック(2026) 59,332 50,558 8,774(今回)
2.(3) 植田ショック(2024) 39,188 31,156 7,962
3.(1) コロナショック(2020) 23,806 16,358 7,448
4.(4) トランプ関税(2025) 38,220 30,792 7,428
5.(2) 世界同時1(2016) 19,113 14,865 4,248
6.(5) チャイナショック(2015) 20,946 16,901 4,045
7.(7) パウエルショック(2018) 24,129 20,347 3,762
8.(6) 世界同時2(2018) 22,698 18,948 3,705
このように、「下落率」ではなく「下落幅(額)」
で整理し直しますと、今回の下落が「コロナショック」
よりもかなり大きかったことになってしまいますね。
「コロナショック」をご記憶の方はおわかりになると思い
ますが、「そんなわけない!!」ですよね。
そして、「コロナショック」を除く上位の3例は2024年
以降ですね。3例とも、日経平均株価の値が
「38,000円以上」だからです。
日経平均株価自体の「額」が大きければ「下落幅
(額)」は大きくなるに決まっているのです。
こんなことは、チョット賢い小学生でもわかる
ことなのですが、マスコミは依然として「下落幅(額)」
で報道していますので、「下落幅(額)」は「ガン無視」
を決め込みましょう!
[3] 気になるのは、いつ戻るかですが、、
今回のような(中規模調整とは言え、)比較的大きな
下落が発生しますと、気になるのは、「いつ戻るか」
ですが、答えを先に申し上げますと、実は、
「もう戻っていますよ」
ということなのです。
ここで、「戻る」というのを定義する必要が生じ
ます。
前回と今回のメルマガで、下落率を調査するに
当たっては、下落前の高値を「株価が急落する直前の
高値」としました。
しかしながら、ここでは、「株価が急落する直前の
高値」までではなく、「急落する前の普通の安値」、
すなわち、「急落する前のボックス圏の安値」まで
戻ることを「株価が戻る」と定義します。
今回の急落の場合は、「急落する前のボックス圏
の安値」は、「56,135円」 (2月17日)です。その
水準には4月8日に、すでに到達しています。
戻るのには、なんと「8日」しか要していません。
そうなると、今度は、株式市場は「企業業績」を
材料視し始めます。
そこにはもちろん、原油高とかその他の資材や
人件費のの高騰、そして高市氏が悪化させた日中
関係が日本経済に与える負の影響などが織り込まれて
いくことになります。
ついでに、コロナショック以降の下落局面で、株価が
「戻る」のに要した日数を掲記します。
名称 (下落率) 安値 戻り高値 下落日数 戻り日数
1. コロナショック (31.3%) 16,358 22,854 28日 77日
3. 植田ショック(20.5%) 31,156 37,611 5日 11日
4. トランプ関税(19.4%) 30,792 35,426 12日 18日
8. 中東ショック(14.8%) 50,558 56,135 33日 8日
このように、戻りに要する日数はコロナショックは、
さすがに77日を要していますが、あとの3つは、
下落率が大きかった割りには、戻るのにはあまり
多くの日数を要しないのだということがわかります。
そして、最も大事なことは、現在進行形の事例も
そうですが、ショックの真っ最中でも、実は
「株価は極めて理論的に動くのだ」
ということなのです。このことは、戻り日数が77日
であった「コロナショックの時もそうだった」ということを
思い返さなければなりません。
コロナショックの時もそうでしたが、ニュース報道が
ヤイのヤイのと騒ぎ立てている間にも(=民衆が
「恐い恐い」と思っている間にも)「株価は極めて
理論的に」動いています。
AI・半導体関連銘柄の株価のリバウンドや
インフレによる企業業績の増加を反映して、日経
平均株価はすでにほとんど元通りの水準に戻って
いるのです。
しかし、油断は禁物です。
「株価が戻ったから安心」なのではありません。
その真逆です。
「株価は、もう高値圏なので、下値余地がたくさん
あって、下値不安が満載」なのです。
今回の下落の最中に、安値で買えた人は、ここ
からは売り時です。
ニュースで、「買い安心感」とか「リスクオン」
という言葉が流れてきたら、その時は売る時です。
そして、ニュースで「先行き不透明感」とか
「リスクオフ」という言葉が流れてきたら、その時
こそが買う時です。
では最後に、現時点における各種の指標を見て
おきましょう。
[4] 4月15日時点の各種の指標
日経平均株価のファンダメンタルズ指標と
テクニカル指標を簡潔に概観します。
(「ストキャスティクス」を「ストキャ」と略して
表記します。)
<4月15日のデータ>
日経平均株価 −−−−−− 58,134円
日経平均のEPSの値 −− 2,819円
日経平均のPERの値 −− 20.62倍
日経平均のBPSの値 −− 31,767円
日経平均のPBRの値 −−− 1.83倍
日経平均のROEの値 −−− 8.9%
日足のRSIの値 −−− 66.38
日足のストキャの値 −− 89.65
週足のRSIの値 −−− 66.21
週足のストキャの値 −− 74.06
ドル建て日経平均株価 −− 365.76ドル
<コメント>
この4月15日のデータからは次のようなことが
考えられます。
<1> 日経平均のEPSの値とPERの値
日経平均のEPSの値は「2,819円」で、これは
史上最高値です。
ただし、PERの値(20.62倍)もコロナショック
後の2021年5月にPERの値が正常化して以来の
最高値圏ですから、非常に強い警戒感をもって
臨むべきところです。
<2> 日経平均のBPS・PBR・ROEの値
PBRの値(1.83倍)も、2008年1月に私が記録
を付け始めて以来の最高水準です。
今年の2月26日にザラ場で「59,332円」の史上
最高値を付けた日の前日のPBRの値が「1.83倍」
で、史上最高値を付けた日のPBRの値が「1.86倍」、
その翌日のPBRの値が「1.86倍」です。
PERの値と同じく、PBRの値を見ても、強い
警戒感が立ち込めます。
ROEの値は「8.9%」のままなので、「1.83倍」
というPBRの値は、理論的には説明不能な高さです。
<3> RSIとストキャの値
RSIとストキャの値は、日足の値も週足の値も、
かなり高いです。
強いて言えば、RSIの値には若干の上値余地は
まだありますが、日柄的には(上値を試す残りの日数
という見地からは)、高値圏を維持するのは、これ
からせいぜい1〜2週間程度でしょう。
<4> ドル建て日経平均株価
ドル建て日経平均株価は、ドルを基軸とする
外国人投資家の目線から見た日経平均株価です。
4月15日の終値は「365.76ドル」となっており、
今年の2月27日の最高値(377.48ドル)よりは、
「3.2%」ほど下回っています。
<まとめ>
日経平均株価の終値が本日(4月15日)の終値
(58,134円)を超えていたのは、今年の2月25日
からの3日間だけです。
しかも、本日の終値から史上最高値までの上昇
余地は、あと「2%」しかありません。
・RSIの値に若干の上値余地がまだあること
・円安の進行によって、ドル建て日経平均株価
には史上最高値まで「3.2%」の上値余地が
あること
・今月の下旬から本価格化する企業業績に対する
上振れ期待があること
などの強気の期待を織り込んだとしましても、
日経平均株価が近日中に「二番天井」を付けて
下落に転じる可能性は充分にあります。
以上のようなことから、日経平均株価が、
「59,300円以上にどんどんと上がっていく
ということは、ありそうもない」
と考えられますので、現在のような58,000円台
の水準では、「売りはあっても、買いは無し」
です。
過度な悲観と同様に、過度な楽観もまた、
最大の悲劇を生むのです。
<今回は以上です。>
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