「高値警戒警報発令〜!」
いつものように市況を展望します。
[1] 市況展望 (執筆日時:1月15日 26時)
(1) 過去1ヶ月を振り返ります
過去1ヶ月の日経平均株価を振り返り
ますと、日経平均株価は12月18日に
「48,643円」の安値を付け、これが過去
1ヶ月の中では最安値となりました。
そこからは1月7日と8に少し下落した
のを除いて、ほぼ一辺倒に上昇しました。
そして1月9日(金曜日)の引け後に、
衆議院解散が囁かれたことで、週明けの
13日には日経平均株価が大幅高となり、
その勢いは14日にも引き継がれました。
14日には「54,487円」の史上最高値を
付けました。
15日の日経平均株価は、さすがに
下落しましたが、日本時間野14時半に
台湾のTSMCの好決算が伝わると、
急速に下げ幅が縮小しました。15日の
終値は「54,110円」でした。
今年の1月1日に配信した「フーミー」
(有料配信)におきまして、
「過去の事例や当面の世界情勢から
観ますと、2026年の4月か5月に
二番天井または最高値が付く可能性
があります。
2025年11月4日に付いた史上最高値
(52,636円)の「二番天井」か、それを
超えるような史上最高値が示現する
かもしれません。」
と述べました。
史上最高値が示現するかもしれない
時期につきまして「2026年の4月か5月」
と予想しましたので、時期については
だいぶ早くて、予想をハズしましたが、
「史上最高値(52,636円)の二番天井か、
それを超えるような史上最高値が示現する」
というのは、的を射るものとなりました。
東京市場においても、2025年11月4日
に付いた「52,636円」という史上最高値
を意識したかのように、年明けの1月
6日に「52,523円」という二番天井が
付いたところからは、冒頭でも述べた
ように、7日と8日は下落に転じました。
そして、衆議院解散がポジティブ・
サプライズとなって、それに伴う「高市
トレード」への期待が再燃して、それ
までの史上最高値を2,000円近くも
超える史上最高値が付くに至りました。
ここで、1月15日時点の各種の指標
をザッと概観してから、今後のことに
ついて考えて参ります。
[2] 1月15日時点の各種の指標
では、1月15日時点における日経
平均株価のファンダメンタルズ指標と
テクニカル指標を簡潔に概観します。
(「ストキャスティクス」を「ストキャ」
と略して表記します。)
<1月15日のデータ>
日経平均株価の終値 −−− 54,110円 (12月17日 49,512円)
日経平均のEPSの値 −− 2,650円 (12月17日 2,635円)
日経平均のPERの値 −− 20.42倍 (12月17日 18.79倍)
日経平均のBPSの値 −− 29,731円 (12月17日 29,648円)
日経平均のPBRの値 −−− 1.82倍 (12月17日 1.67倍)
日経平均のROEの値 −−− 8.9% (12月17日 8.9%)
日足のRSIの値 −−− 73.38 (12月17日 44.75)
日足のストキャの値 −− 91.81 (12月17日 14.01)
週足のRSIの値 −−− 66.46 (12月17日 64.66)
週足のストキャの値 −− 85.67 (12月17日 58.03)
ドル建て日経平均 −− 341.28ドル (12月17日 318.75ドル)
<コメント>
この1月15日のデータからは次の
ようなことが考えられます。
(1) EPS・PER・BPS・
PBR・ROEの値について
日経平均のEPSの値は「2,650円」
で、高い水準を維持してはいるものの、
日経平均株価が史上最高値を付ける
ほどのインパクトは、EPSの値に
ついては、今のところは、まだあり
ません。
日経平均のPERの値が遂に20倍
を超えてきました。これまでの常識
では高すぎるのですが、日本市場が
欧米化した(=欧米主導で株価が
形成されるようになっている)と
考えれば、「PERの値が20倍」
というのは普通のことだとも考え
られます。
しかしながら、やはり違和感も
禁じ得ません。
PERの値が20倍ということは、
その逆数である「益回り」が「5%」
ということを意味します。
このメルマガで、これまでに何度も
解説してきましたように、「益回り」
は、
「無リスク資産の利回り + リスク
プレミアム」
に分解されます。
「無リスク資産」は通常、長期国債を
意味します。
そして、「リスクプレミアム」とは
簡単に言えば、「リスク(=価格が
変動すること)を有する資産である
株式を持つことに対する追加的な
利回りの期待値」です。
従来の日本人は「株は恐い」として、
この「リスクプレミアム」を、欧米人
に比べるとかなり高めの「6%くらい
が妥当だ」と考えてきました。
そして、2024年くらいまでは、日本
国債の利回りが「0.5%」から「1%」
くらいだったため、益回りは、
「0.5%〜1%」+「6%くらい」
=「6.5%〜7%」くらい
だったのです。
6.5%の逆数は「15.38」で、7%の
逆数は「14.28」です。
このようなことが背景にあって、
日経平均のPERの値は「14倍〜15倍」
が妥当であるとされてきたのです。
それに対して、アメリカは、ごく
最近まで、FFレートが5%前後
だったのに、PERの値は20倍台が
当たり前でした。
すると、アメリカではリスク
プレミアムは0%だったということ
になります。
(なお、高い時にはPERの値が
25倍以上ありましたから、アメリカ
では「リスクプレミアムがマイナス」
という現象すら発生していました。)
「リスクプレミアムが0%」という
ことは、すなわち、「株式を持つことに
一切の抵抗がない」ということです。
(さらには、リスクプレミアムが
マイナスということは、「株式を
持ちたい!」ということです。)
なぜそうなるのかというと、米国人
の多くが、
「株は上がるから、持たなきゃ損だ」
と考えているからなのです。
また、リスク(=変動すること)を
アメリカ人の多くが嫌っていない
ということでもあります。
(日本人は、その点、安定志向が強い
です。)
さて、ここにきて、日経平均株価
のPERの値が20倍になったという
ことは、日本の長期金利の利回りが
「2.15%」の現在においては、日本
におけるリスクプレミアムが「3%
を切ってきた」ということです。
すなわち、現在の日本人は、リスク
選好の度合い(=リスクを好むか
嫌うか)について、かつての日本人
と現在のアメリカ人の中間に位置
するようになってきたのだという
解釈が成り立ちます。
日本人も、インフレが浸透して
きたため、いよいよ
「株は上がるから、持たなきゃ損だ」
と考えるようになってきた、という
ことではないかとも考えられます。
それにしましても、日経平均株価
のPERの値が平時において20倍を
超えることはほとんどなかったこと
なので、今年の2月か5月の決算
シーズンに企業業績が画期的に上昇
してこない限り、PERの値の20倍台
は、あまり長続きはしないのでは
ないかとも考えられます。
次に、日経平均のBPSの値に
ついてです。
BPSの値が「29,731円」と
なっていて、かなり蓄積されて
きました。
それにしましても、日経平均の
ROEの値が、相変わらず「8.9%」
という、あまり高くはない状況の
中で、PBRの値が「1.82倍」に
なったのは、私が統計を取り始めた
2008年1月1日以来で初めてです。
リスクプレミアムに対する日本
人の意識が変わったとしましても、
現状のROEの値に対してPBR
の値が「1.82倍」になっている
のは、やはり高すぎるのです。
また、ドル建て日経平均の値
(341.28ドル)も、史上最高値圏
で、昨年11月4日の高値の時と
並ぶ「二番天井」です。
外国人の目から見ても、今の
日経平均株価の水準は、「高い」
ということなのです。
(2) オシレーターの値に関して
日経平均株価の主要な2つのオシ
レーターの値に関しては、全般的に
高くなっており、日足のデータが
特に高いので、短期的には、かなり
過熱感があるということが読み取れ
ます。
ただ、史上最高値が付いている
わりには、週足のRSIの値が
あまり高くはないのが特徴的です。
現在話題になっている衆議院選挙は、
2月8日が投開票日であるとされて
いますので、投開票日を含む週の半ば、
すなわち2月4日前後までの3週間は
高値圏で推移する可能性を、週足の
RSIの値が示唆しているようにも
考えられます。
すなわち、「あと2〜3週間は
日経平均株価が高値圏で推移する
可能性もある」ということです。
ただし、下の[3]で述べるように、
現時点は、国の内外で懸念材料が
山積みになっていますし、衆院選で
高市自民が勝つとも限りません。
特に、公明党と立憲民主党の
新党結成で、選挙結果が詠みにくく
なっています。
ですから、これから先は、細心の
注意が必要です。
なお、ストキャの値はRSIの
値に先行することが多いですので、
ストキャの値が高いということは、
あと2〜3週間で週足のRSIの
値もピークを付ける可能性が高い
です。
つまり、現在進行中の株高は、
「長くもっても、2月4日前後まで」
ではないかということがチャート
からは読み取れます。
さて、以下では、今年の重要
イベントについて概観します。
[3] 2026年の重要イベント
2026年の重要イベントは、今
わかっている分だけでも、少なく
とも次の5つを挙げることが
できます。
(1) 衆院解散と総選挙後 (1月〜2月)
(2) 第3四半期決算 (1月〜2月)
(3) 第4四半期決算(本決算;4月〜5月)
(4) FRB議長の任期満了 (5月)
(5) 大統領選挙の中間選挙 (11月)
以下で、それぞれについて簡潔に
コメントをして参ります。
(1) 衆院解散と総選挙後
そもそも、なぜ今解散なのか?
一部には、韓国で統一教会と政治家
との癒着が問題になっていて、それが
日本に飛び火すると、統一教会と
政治家との癒着の問題が再燃して、
通常国会で高市氏が追及されるのを
回避するためだと囁かれています。
予算成立を待たずに解散することを
ほのめかす時点で、衆議院解散の時期
が不自然なのは間違いないのです。
さて、株式市場では昔から「選挙
相場」ということが言われています。
すなわち、選挙になると、政治家が
経済を良くしようと、色々と日本
経済にとって良いことをしようと
するから、国政選挙になると株価が
上がりやすい、と考えられてきました。
しかし、今回は、選挙があるという
ことが広まる前から、かなり株価の
水準が高くなっていますので、選挙
相場も盛り上がりに欠けるか、途中で
失速する可能性がありそうです。
また、高市総理がこの1年くらい
の間にやってきたことを考慮すると、
高市自民が大敗する可能性も充分に
あります。
政治とカネの問題を封殺するわ、
対中関係を悪化させるわ、挙げ句の
果てに、物価高対策を押しのけて、
「自己都合解散」です。
国民が、マスコミの偏向報道に
惑わされることなく、聡明な判断
をするのであれば、昨年の参院選
に続いて、今度の衆院選でも自民
党は勝てないでしょう。
それに、選挙結果を云々する前に、
選挙前に充分に高くなっている状況
では、日経平均株価は、選挙の少し
前か選挙の直前にピークを付けて、
選挙後には、むしろ大きめの下落が
起こることも多いのです。
アメリカでも「トランプ1.0」
の時は、トランプ氏が当選すること
自体がサプライズだったこともあり、
大統領選挙後にNYダウは大幅高に
なりましたが、「トランプ2.0」
では、事前にNYダウがかなり
上がっていたことや、トランプ氏
が当選することがサプライズでは
なかったことから、大統領選挙の
後にはNYダウは、あまり大幅高
にはなりませんでした。
そういった事例を思い起こして
おくことも必要です。
現在、「高市ラリー再燃」などと
言われていて、日経平均株価が
最高値を更新していますが、選挙
後は、日経平均株価が非常に脆弱な
動きになる可能性が濃厚です。
(2) 第3四半期決算
現在までに予想されている選挙
日程ですと、第3四半期決算の
真っ最中に投開票が行われることに
なります。
選挙のことだけではなく、企業
業績の動向も注視しなければなり
ません。インフレによって、企業業績も
上振れするということが、日経
平均株価には、すでにかなり織り
込まれていますので、企業業績が
奮わなかった場合には、日経平均
株価が下振れする可能性が高い
です。
特に、選挙結果が市場の期待に
届かなかった場合には、それが
下落のきっかけになります。
また、現在の株高は、選挙相場も
引き金にはなっていますが、本質
的には「インフレのさらなる進行」
が原因であると考えられます、
その証拠に、金価格も市場最高
値を更新していますし、円安も
進んでいます。
ですから今は、選挙の要因と
インフレによるものとを切り
分けて考えなければならない局面
です。
(3) 第4四半期決算(本決算)
今から3ヶ月以上先のことに
なりますが、今年の本決算で
企業業績が伸びないと、大幅な
株価下落の要因になりますので、
例年にも増して、企業業績が伸び
には注意が必要です。
(4) FRB議長の任期満了
現FRB議長のパウエル氏は
金融政策の「天才」です。
黒田MOTO日銀総裁・習近平氏・
ゼレンスキーなど、異例の任期
延長の例はいくつもありますが、
パウエル議長こそが任期延長に
適任の人材です。
パウエル議長の在任中に、
アメリカ経済や世界経済、そして
トランプ氏自身が、パウエル議長
の卓越した手腕にどれだけ助け
られてきたかをトランプ氏は
思い起こすべきでしょう。
「私はパウエルよりも金融政策に
長けている」(by トランプ)などと
のたまうのは、思い上がりも甚だ
しく、愚の骨頂です。
そして、闇雲に利下げを要求
するトランプ大統領の言いなり
になるような「トラポチ(トラ
ンプの忠犬)」がFRB議長に
選出されてしまうと、株式市場は
中・長期的にジリ貧になること
でしょう。
日経平均株価も、その影響を
色濃く受けることになります。
(5) 大統領選挙の中間選挙
今年の11月にはアメリカで中間
選挙があります。
それまではNYダウは高値を維持
する可能性がありますが、中間選挙
が終わってしまうと、株価を支える
要因が無くなってしまいます。
これらのことから、今年は年央の
5月から11月にかけて、懸念材料が
満載です。
また、トランプ氏は、方々に戦争
をしかけたり、しかけようとしたり
しており、それも大きな懸念材料
です。
<今回は以上です。>
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