「利上げは、すでに織り込み済み」
いつものように市況を展望します。
[1] 市況展望 (執筆日時:12月18日 14時)
(1) 過去1ヶ月を振り返ります
過去1ヶ月の日経平均株価を振り返り
ますと、11月13日の日経平均株価は
「51,281円」で、そこからは下落して、
11月19日には「48,235円」まで下がり
ました。
11月21日と25日には「48,500円台」で
下値固めをした日経平均株価は、12月
12日に「51.127円」まで上昇しました。
そこからは再度下落して、12月18日に
「48,643円」まで下がっています。
このように、この1ヶ月間は「48,235円
〜51.028円」のレンジ相場になっています。
51.000円を抜けてどんどん上がっていく
エネルギーにも欠けますが、48.000円を
抜けてどんどん下がっていくこともない、
狭いレンジのボックス圏相場だったことが
わかります。
そして、「48.000円〜51,000円」の
ボックス圏相場の状況は当分続きそうです。
ではさっそく、12月17日時点の各種の
指標をザッと概観してから、今後のこと
について私見を述べて参ります。
[2] 12月17日時点の各種の指標
では、12月17日時点における日経
平均株価のファンダメンタルズ指標と
テクニカル指標を簡潔に概観します。
(「ストキャスティクス」を「ストキャ」
と略して表記します。)
<12月17日のデータ>
日経平均株価の終値 −−− 49,512円 (11月13日 51,281円)
日経平均のEPSの値 −− 2,635円 (11月13日 2,664円)
日経平均のPERの値 −− 18.79倍 (11月13日 19.25倍)
日経平均のBPSの値 −− 29,648円 (11月13日 30,166円)
日経平均のPBRの値 −−− 1.67倍 (11月13日 1.70倍)
日経平均のROEの値 −−− 8.9% (11月13日 8.8%)
日足のRSIの値 −−− 44.75 (11月13日 64.71)
日足のストキャの値 −− 14.01 (11月13日 78.15)
週足のRSIの値 −−− 64.66 (11月13日 79.14)
週足のストキャの値 −− 58.03 (11月13日 81.46)
ドル建て日経平均 −− 318.75ドル (11月13日 330.16ドル)
<コメント>
この12月17日のデータからは次の
ようなことが考えられます。
まず、日経平均株価の主要な2つの
オシレーター系指標に関しては、特に
日足の値が低くなっており、短期的には
安値圏になっているということが読み
取れます。
また、週足でもRSIもストキャも
その値はマイルドな水準になってきて
います。
[3] 日銀の利上げについて
本日と明日(今月の18日と19日)に
日銀の政策決定会合があります。そこで
日銀が「0.25%ポイント」の利上げを
することが確実視されています。
日銀によるこの利上げは、株式市場
にはすでに織り込み済みであると考え
られます。
12月12日に「51.127円」の高値を
付けてからは3営業日連続で下落して
おり、たった3日で「2,000円(率に
して3.9%)」の下落が起こっています。
18日には、前日にNYダウとNASDAQ
が下落したこともあって、日経平均
株価は「48,643円」まで下がって
います。
この4営業日で、日銀の利上げに
ついては、かなりの程度まで株式
市場に織り込まれているのではないか
と考えています。
市場参加者は、「利上げ=株安、
利上げ=円高」と信じ込んでいますが、
ドル円レートは12月16日の「154.39円」
を尻目に、むしろ円安方向に振れて
います。
また、ユーロ・英ポンド・中国元も
同じような動きになっています。
また、12月12日以降の4日間で、
日経平均株価は「2.484円」下落して
います。たった4営業日で、およそ
「4.86%」も下落しているのです。
このような為替と株価調整の面
からも、日銀の利上げについては、
株式市場にすでに織り込み済みなの
ではないかと考えられます。
19日の日銀政策決定会合の結果を
受けて、週明けの月曜日には、利上げ
を嫌気するいくらかの下落が起こる
可能性はありますが、よほど大きな
ネガテティブ・サプライズgに限り、
早ければ月曜日(19日)の後場からは、
「悪材料出尽くし」による底打ち反転
が起こるのではないかと考えています。
[4] 米利下げ・日利上げなのに
なぜ円安のままなのか?
12月10日の米・FRBは利下げを
して、日本は利上げが確実なのに
なぜ円安のママなのか?ですが、
そのことを理解するためには、
「実質金利」ということが大事です。
すなわち、日本は「見かけ上の
金利(=名目金利)」は上昇方向です
が、12月の政策決定会合の前までの
政策金利(=名目金利)は「0.5%」
です。そして、12月に利上げされる
としても、政策金利の水準は、せいぜい
「0.75%」です。
すると、「名目金利 − インフレ率」
で定義される「実質金利」は、日本では
「マイナス」なのです。
現在の日本のインフレ率がどの程度
なのかということには諸説がありますが、
私は肌感覚として、少なくとも「3.75%」
はあると思いますので、「名目金利 −
インフレ率」で定義される「実質金利」
は、日本では12月の利上げを織り込んでも、
(0.75% − 3.75% )「マイナス3.0%」
です。
一方で、アメリカの「実質金利」は
どうかというと、政策金利は「3.5-3.75%」
で、インフレ率も「3.5-3.75%」程度
です。
ですから、アメリカの「実質金利」は、
「プラスマイナス0」です。
このような状況であるとすると、
アメリカは利下げをして、日本は利上げ
が確実なのに、日米の金利差は、依然
として「3%」もあるのです。
このことがドル円レートの決定要因
として強く作用しているのです。
ですから、利上げとか利下げの方向性
だけではなく、ここで解説したような
両国の「実質金利差」が重要なのです。
[5] まとめ
日銀政策決定会合を通過しますと、
年末までは、特に材料がありません。
かねてから申し上げていますように、
今年は「掉尾の一振」になるかも
しれません。すなわち、年末にかけて
多少の上昇圧力がかかる可能性が
あります。
一方で、「餅つき相場」という相場
格言もあります。
年末が近づくと、外国人投資家を
含めて、株式市場では徐々に市場参加者
の数が少なくなって、出来高が少なく
なります。そういった状態の下では、
通常よりもボラティリティが大きく
なります。このような状況のことを、
餅つきのときの杵にたとえて、
「餅つき相場」と言われています。
要するに、年末までは、
「48.000円〜51,000円」のボックス圏
相場が続き、「掉尾の一振」が起これば、
「51,000円前後」で年末を迎えるのでは
ないかと予測しています。
<今回は以上です。>
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