兜町大学教授の教え 無料メルマガ No.280 (2025年11月13日)


「AIブームの背後で起こっていることに
 思いを馳せてみる」

 
 いつものように市況を展望しますが、
その前に、今回は「定期講演会」に
ついて簡潔に再告知をさせて下さい。


[0] 「定期講演会」について

 来る11月15日(土)に、渋谷において
「Prof. SAKAKI塾 定期講演会」を
開催いたします。

 あと5席だけ空きがございますので、
ここで the Final Notice (最終告知)
をさせていただきました。

 開催前日(11月14日)の23:59まで
受付いたしますが、満員になり次第、
受け付け終了とさせていただきます。

 詳細は、当サイトの「講習会受付」
のページ↓をご参照下さい。

http://www.prof-sakaki.com/zemi/lecture/lecture_251115.html



[1] 市況展望 (執筆日時:11月13日 21時)

 過去1ヶ月の日経平均株価を振り返り
ますと、10月17日に「47,494円」を付けた
日経平均株価は、そのままほぼ一辺倒に
上昇して、11月4日に「52,636円」の
史上最高値を付けました。
 その日(4日)は安値引けで終わり、
翌日の5日に「49,073円」の安値を付け
ましたが、そこからは緩やかな右肩上がり
になっています。

 ではさっそく、11月13日時点の各種の
指標をザッと概観してから、今後のこと
について私見を述べて参ります。


[2] 11月13日時点の各種の指標

 では、11月13日時点における日経
平均株価のファンダメンタルズ指標と
テクニカル指標を簡潔に概観します。
(「ストキャスティクス」を「ストキャ」
と略して表記します。)


<11月13日のデータ>

日経平均株価の終値 −−− 51,281円 (10月16日 48,277円)
日経平均のEPSの値 −−  2,664円 (10月16日 2,600円)
日経平均のPERの値 −−  19.25倍 (10月16日 18.57倍)
日経平均のBPSの値 −− 30,166円 (10月16日 29,438円)
日経平均のPBRの値 −−− 1.70倍 (10月16日  1.64倍)
日経平均のROEの値 −−− 8.8% (10月16日   8.8%)

日足のRSIの値 −−− 64.71 (10月16日 61.29)
日足のストキャの値 −− 78.15 (10月16日 51.40)
週足のRSIの値 −−− 79.14 (10月16日 87.82)
週足のストキャの値 −− 81.46 (10月16日 93.26)

ドル建て日経平均 −− 330.16ドル (10月16日 319.58ドル)


<コメント>

 この11月13日のデータからは次の
ようなことが考えられます。

 まず、日経平均株価はこれほどの
高値圏にありながら、週足に関しては、
主要な2つのオシレーター系指標は意外
なことに、過熱感が若干和らいできて
います。
 また、日足でもRSIの値はマイルド
なままです。そして、11月5日からの
7営業日だけのことですので、あまり
説明力は高くないのですが、日足では
小さいながらも、「上に放れる三角
保ち合い」の様相を呈しています。

 すでにかなり強い高値警戒感がある
中で、テクニカル的には、意外にも
過熱感があまり強くないのが不思議
です。


(1) 日経平均のEPSの値とPERの値

 日経平均のEPSの値は、2,664円に
なっていて、
5月−−− 2,383円
6月−−− 2,457円
7月−−− 2,537円
8月−−− 2,432円
9月−−− 2,471円
10月−−− 2,600円
11月−−− 2,664円
というように、徐々に増えています。
 日経平均のEPSの値が「2,664円」
というのは、史上最高値です。

 そして、11月13日というのは、第3
四半期決算の多くが発表済みの時期
です。ですから、この水準からは、
EPSの値はもうあまり大きく変動
しないはずです。
(四半期決算発表では毎回、決算が
出揃った翌日に値が大きく動くことも
ありますが、その原因は不明で、たぶん
四半期決算期末に、集計値の修正が
行われるのであろうと考えています。)

 2月決算企業の四半期決算が出揃った
先月の時点(10月16日)のEPSの値が、
前月の9月よりも119円も増えていた
のですが、その水準を維持しながら、
若干ですが、EPSの値が増加した
ことが日経平均株価への支援材料に
なっているのはたしかです。

 しかしながら、日経平均株価の上昇
に対して、「AI・半導体関連企業の
株価の異常な上昇」が大きく寄与して
いるのも事実ですから、AIバブルが
崩壊したら、日経平均株価の水準も
大きく様変わりすることでしょう。
 ただ、それがいつ起こるのかは
わかりかねます。


(2) その他の指標

 日経平均のPBRの値も「1.70倍」
で、非常に高いです。
 日経平均のROEの値は「8.8%」
で、冴えません。
 このことからも、すでに「AIバブル」
の状況になっていることを感じさせ
られます。


(3) ドル建て日経平均株価

ドル建て日経平均 −− 330.16ドル(再掲)

 ドル建て日経平均株価は、ドルを
基軸とする外国人投資家の目線から
見た日経平均株価です。

 11月13日時点のドル建て日経平均
株価は「330.16ドル」で、史上最高値
圏です。
(10月31日に付いた「340.15ドル」が、
ドル建て日経平均株価の史上最高値
です。)


[3] 循環物色

 昨日(11月12日)、ソフトバンクグループ
が、保有するエヌビディア社の株を全株
手放したということが市場で話題になり、
昨日のNASDAQ市場が冴えない展開になり
ました。

 AIブームがかまびすしいですが、
ITバブルの時と様子がすごく似て
います。
 ITが騒がれ始めたのは、1995年の
「Windows 95」が発売された1995年
12月です。
 そして、ITバブルの崩壊が始まった
のは2000年4月でした。ITブームが
続いた期間は、4年と4ヶ月でした。
 AIブームが始まったのを2022年11月
30日に「Chat GPT」をアメリカのオープン
AIが日本で公開した時としますと、その
4年と4ヶ月後は、2027年3月です。

 ただし、今回のAIブームが、IT
ブームと全く同じ周期で一巡するとは
限りませんので、これはあくまでも
「ひとつの参考データ」に過ぎません。
 2027年3月よりも半年前の2026年11月
には、アメリカで中間選挙があります
ので、その前後なども、アブナイかんじ
です。

 現時点において、AI・半導体関連
の銘柄は、すでに異常なほど高い株価に
なっています。
 こういった場合、ソフトバンクグループ
の孫正義社長のような目鼻の利く投資家は、
AIブームから早めに降りてしまい、
その資金で、従来型の優良企業に資金を
振り向けていることでしょう。
 株式市場には「循環物色」という言葉が
あります。それは、A関連銘柄の株価が
だいぶ高くなって、それがピークアウト
しかけた頃に、だいぶ安くなってきている
B関連銘柄へ、そして、その次へと資金が
循環的に移っていく流れのことを意味します。
 最近では、AI・半導体関連や防衛関連
以外の優良企業群の株価が堅調に推移して
きていますので、そういった循環物色の
流れにうまく乗ることが肝要です。


[4] まとめ

 ITによるテクノロジーの進化は、
ITバブル崩壊後のこの25年間も、
止まることなく進んできました。それと
同じように、AIによるテクノロジー
の進化も、留まることはないでしょう。
 ですが、2000年央にITバブルが
崩壊したように、行きすぎたものは
必ず弾けます。
 そんな危なっかしいものにいまさら
乗っかるのではなく、地に足の付いた
安全・堅実な投資の手法を身に付ける
ことで、「ウサギとカメ」の勝者に
なるのだと確信しています。


<今回は以上です。>





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