Q. 分散投資についてです。
 株式に投資する場合、原則として1銘柄だけで構わないのでしょうか?
他の本には、複数銘柄に分散投資したほうがリスク軽減には有効と書かれていました。 分散投資に対するお考えをご教授願えたらと思います。

A. おっしゃるとおり、多くの本には、複数銘柄に分散投資したほうがリスク軽減には有効であると書かれています。しかし、10年前にウォール街を席巻した天才「少年」投資家のマット・セト氏は、15歳にして、その著書でこう言い切っています。

「分散投資は負け犬の言い訳。」

 これを最初に読んだときには、身の毛もよだつような名言であると思いました。また、ジョージ・ソロス氏も、いけるとみるや、徹底的に1つの投資対象に注力することで知られています。
総じて言えることは、分散投資は、たしかにリスク回避(リスク分散)のためにはいいのでしょうが、分散投資しない方が、リターンも大きいようです。

 というわけで、基本的には、私は「分散投資反対派」なのです。自信をもって1つの銘柄に投資していれば、大丈夫なはずですし、投資する銘柄数が6銘柄以上になると、なかなか目が行き届にくくなりがちです。
それに、さらに言えば、本当に分散投資をする、というのであれば、日本株の中で、鉄鋼株と不動産株と機械株といったように、業種を分散させても、あまり意味はないのです。外国株や国内外の不動産・為替・金などへの分散投資をして、初めて「分散投資」と言えるのではないでしょうか。

 しかし一方で、拙著にありますように、簡潔な基準を基に投資をするということは、投資対象の企業に関する企業研究を徹底的に行うわけではないので、たしかに、あまり多額な資金を一点に投下するのは、怖くないと言えばウソになります。
ですから、1銘柄への初期投資額は1,500万円くらいまで(最大でも3,000万円くらいまで)かな、とは思います。逆に言えば、1銘柄に対して3,000万円くらいまでは投じ込んでも大丈夫ではないか、とも思うのです。資金がそれ以上ならば、銘柄を分けた方が、気分的に楽だろうとは思います。(これは、まさに「気分的なもの」だけですが。)
最終的に1億円を超える金額を運用する場合には、どうしても4〜5銘柄には分散投資しないといけないかもしれないですね。

 そして、何よりも、「私流の分散投資」は、「ナンピン資金を確保しておくこと」だと思っています。資金を分散させて、「下がった時にも買う」ことができれば、それが最大の「リスク分散」になると思うのです。
重要な論題の割には簡単ですが、以上です。




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